【令和8年6月から】突発的な人員欠如でも減算が猶予される「やむを得ない事情における人員欠如」の特例措置とは?要件と手続きを解説

障害児通所支援(指定通所支援・基準該当通所支援)を運営するなかで、職員の突然の退職などにより、一時的に人員基準を満たせなくなってしまうことは考えられます。

そのような、突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情がある場合、一定の要件を満たすことで、人員欠如減算の適用が猶予される特例措置が令和8年6月からから始まりました。

今回は、この減算適用の猶予特例について、要件や手続きを分かりやすく解説します。

目次

特例の概要

本特例が適用されると、人員欠如が生じた際に、減算適用がされるまでの期間が以下のように猶予されます。

  • 猶予期間:人員欠如の発生が生じた日の属する月の翌々月までの間、障害児通所給付費等の減算適用が猶予されます。
  • 回数制限:適用は1年に1回に限り認められます。(人員欠如が発生した日の属する月の翌々月の初日から起算する。)
  • 減少割合:人員配置基準より1割の範囲内で減少した場合に、本特例が適用されます。
通常の減算措置は

通常であれば、以下の時期から減算が開始されます。

  • 人員配置基準より1割を超えて欠如した場合:その翌月から減算
  • 人員配置基準より1割の範囲内で欠如した場合:その翌々月から減算

例として、8月に人員欠如が生じた場合の減算開始時期は、以下のようになります。

特例を受けるための要件

この特例措置の適用を受けるためには、

  • 突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情が生じた場合
  • 人員基準上必要とされる員数から1割の範囲内で減少した場合

上記に加え、以下のアからエまでの要件すべてに該当している必要があります。

ア. 公共職業安定所(ハローワーク)等の活用
ハローワークや無料の職業紹介事業を活用して、職員の確保に向けた求人活動等の取組を行っていることが必要です。なお、やむを得ない事情が生じていない平時であっても、求人を行う際にはハローワーク等を活用していることが望ましいとされています。

イ. 適正な民間紹介事業者の利用
職員確保のために民間の有料職業紹介事業者を利用する場合には、医療・介護・保育分野における「適正な有料職業紹介事業者認定制度」による適正認定事業者を含めていることが必須要件となります。

ウ. ウェブサイト等での積極的な情報公表(推奨)
ハローワーク等の活用に加え、事業所自らがウェブサイト等で採用情報を公表するなど、職員の確保に係る取組を積極的に行っていることが望ましいとされています。

エ. 適正な労働時間管理と体制整備
一時的に職員の確保ができない状況であっても、一部の職員へ過度な業務負担とならないよう、事業所において職員の適正な労働時間管理を行い、体制の整備を図るよう努めることが求められます。

「やむを得ない事情」とは?

例えば、以下のような場合において、職員が一時的に不足する状況が想定されています。

・職員や家族の突発的な体調不良等により1か月を超える不在が見込まれる場合
・職員の自己都合による急な離職等が複数重なった場合

なお、職員や家族の突発的な体調不良等により1か月を超える不在が見込まれる場合においては、公共職業安定所等に求人の申込みを行うに当たって、職員の短期的な不在を補うためだけでなく、長期的に安定的な人材確保を図る観点から求人内容を検討するのがよいでしょう。

必要な手続き

特例の適用を受けるためには、要件を満たすだけでなく、期日までに正しい報告手続きを行う必要があります。

  • 提出書類:職員の確保に係る取組や、一時的に職員を確保できないやむを得ない事情を記載した「別紙様式」。
  • 添付書類:報告する時点で有効な「求人票の写し」。
  • 報告期限:人員欠如の発生が生じた日の属する月の翌月までに、速やかに都道府県知事等に報告(提出)する必要があります。

以下に、仙台市の届出書式を掲載します。

【記入方法】

2.人員欠如の状況
「人員欠如の発生月」:人員欠如が発生した日の属する月を記入します。

3.職員確保の取組
要件として「公共職業安定所等の活用」がありますので、「職業安定法(昭和22年法律第141号)第8条に定める公共職業安定所の活用」または「職業安定法(昭和22年法律第141号)第33条に定める無料職業紹介事業の活用」のどちらかにチェックが入ることになります。

また、民間職業紹介事業者を利用する場合には、医療・介護・保育分野における「適正な有料職業紹介事業者認定制度」による適正認定事業者を含めていることが必須となりますので、「民間職業紹介事業者の利用」にチェックをつける場合は、その下の「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者認定制度による適正認定事業者の利用」にもチェックをつけることになります。

記入の仕方でご不明な点がありましたら、指定権者にご確認ください。

まとめ

突発的な事由により一時的に配置基準を下回ってしまった場合でも、ハローワーク等の有効な求人票を添付して速やかに報告し、適切な労務管理を行うことで、経営に大きな打撃を与える「減算」を回避できる可能性があります。

いざというときにスムーズに手続きを進められるよう、日頃から採用活動のプロセスを記録し、ハローワークや適正認定事業者との連携体制を整えておきましょう。

参考

児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)(【最終改正】こ支障第147号令和8年5月28日)

仙台市ウェブサイト

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