【放デイ】基本報酬・加算減算の仕組み

 放課後等デイサービスなどの障害福祉サービスは、都道府県等から指定を受けると、サービス提供の対価として報酬(給付費)を請求することができます。

 今回は、放課後等デイサービスの報酬の仕組みについて説明します。

 なお、この記事の内容は、令和6年の法改正・報酬改定に対応しています。

「報酬」とは?

 障害福祉サービス事業者がサービス提供の対価として受け取るの料金のことを、「報酬」と呼びます。

報酬を支払うのは誰?

 障害福祉サービスの事業者は、サービスを提供したら、その料金が発生します。料金のうち、利用者の保護者の負担能力に応じた額(原則1割)を利用者が負担し、残りは「障害児通所給付費」としてサービス提供事業者に支給されることになります。

報酬の額はどうやって決まる?

 報酬の額は、法律で決められた単位数に、国が定める単価を乗じて得た額とされています。

 単位数は、サービスの種類や、提供した内容などにより決められています。例えば、放デイが1時間半超3時間以下のサービスを提供した場合、定員10人以下の事業所であれば、基本報酬の単位数は609単位/日となっています。

 単価は、サービスの種類や地域により異なっており、放デイだと以下の単価となっています。

1級地2級地3級地4級地5級地6級地7級地その他
重心以外の障害児11.20円10.96円10.90円10.72円10.60円10.36円10.18円10円
重症心身障害児11.52円11.22円11.14円10.91円10.76円10.46円10.23円10円
こども家庭庁長官が定める1単位の単価(平成24年厚生労働省告示第128号)令和6年3月15日こども家庭庁告示第3号改正現在

 例えば、宮城県の場合だと、仙台市と多賀城市が6級地、その他の市町村は「その他」に分類されていますので、仙台市の放デイ事業所(重心以外)の単価は「10.36円」となります。

 仮に単位数が609単位/日だとすると、609単位×10.36円=6,309.24円となります。1円未満の端数は切り捨てになりますので、この場合、1日につき6,309円の報酬ということになります。

宮城県の地域区分、報酬単価についての詳細はこちら↓
【宮城県】障害福祉サービスの地域区分、報酬単価まとめ(R6~R8年度)

基本報酬、加算、減算について

 基本報酬は、報酬の基礎となるもので、事業所の定員数、職員体制、利用時間などによって分けられています。

 加算は、手厚い支援を行った際などに、要件を満たすと上乗せされる報酬です。

 減算は、基準を満たしていなかったり、違反があったりすると報酬から減らされてしまう分です。

 報酬は、基本報酬に加算・減算分を足し引きすることで算出されます。

基本報酬の決まり方

放デイの基本報酬は、人員体制、時間区分、医療的ケア区分や利用定員により異なります。

定員10人以下の場合

時間区分計画時間単位
時間区分130分以上1時間30分以下574単位/日
時間区分21時間30分超3時間以下609単位/日
時間区分33時間超5時間以下666単位/日

定員11人以上20人以下の場合

時間区分計画時間単位
時間区分130分以上1時間30分以下382単位/日
時間区分21時間30分超3時間以下406単位/日
時間区分33時間超5時間以下443単位/日

定員21人以上の場合

時間区分計画時間単位
時間区分130分以上1時間30分以下287単位/日
時間区分21時間30分超3時間以下305単位/日
時間区分33時間超5時間以下343単位/日

主として重症心身障害児を対象とする放デイ事業所で、重症心身障害児に対するサービスを行う場合

区分利用定員5人~7人利用定員8人~10人利用定員11人以上
授業の終了後1,771単位1,118単位692単位
休業日2,056単位1,299単位817単位

共生型放課後等デイサービスの場合

区分単位
授業の終了後430単位
休業日507単位

医療的ケア児の場合(医療的ケア区分1)

時間区分計画時間利用定員10人以下利用定員11人~20人利用定員21人以上
時間区分130分以上1時間30分以下1,247単位1,055単位960単位
時間区分21時間30分超3時間以下1,282単位1,078単位977単位
時間区分33時間超5時間以下1,399単位1,116単位1,016単位

医療的ケア児の場合(医療的ケア区分2

時間区分計画時間利用定員10人以下利用定員11人~20人利用定員21人以上
時間区分130分以上1時間30分以下1,583単位1,391単位1,296単位
時間区分21時間30分超3時間以下1,618単位1,414単位1,313単位
時間区分33時間超5時間以下1,674単位1,452単位1,352単位

医療的ケア児の場合(医療的ケア区分3)

時間区分計画時間利用定員10人以下利用定員11人~20人利用定員21人以上
時間区分130分以上1時間30分以下2,591単位2,399単位2,304単位
時間区分21時間30分超3時間以下2,627単位2,423単位2,322単位
時間区分33時間超5時間以下2,683単位2,461単位2,361単位

時間区分について

 令和6年報酬改定より、支援の提供時間に応じた区分(時間区分)が設けられています。
 時間区分は「30分以上1時間30分以下」「1時間30分超3時間以下」「3時間超5時間以下」の3区分となっており、5時間を超える長時間の支援については、預かりニーズに対応した延長支援として、延長支援加算により評価が行われます。なお、30分未満の支援は、算定対象から原則除外されます。(周囲の環境に慣れるために支援の時間を短時間にする必要がある等の理由で市町村が認めた場合に限り、算定可能)

支援の提供時間とは

 支援の提供時間は、現に支援に要した時間ではなく、個別支援計画に位置付けられた内容の支援を行うのに要する標準的な時間(個別支援計画において定めた提供時間)とされています。

実利用時間が個別支援計画において定めた時間より短くなった場合は?
事業所の都合により支援が短縮された場合は、現に支援に要した支援時間により算定します。
利用者の都合により支援が短縮された場合は、個別支援計画において定めた時間により算定しますが、個別支援計画に定めた支援の内容や提供時間が、実際の支援の提供と合致しない場合には、速やかに個別支援計画の見直し・変更を行うことが求められます。
(学校の授業が延長した場合や道路渋滞等により通常より送迎に時間を要するなど、事業所に起因しない事情による場合もこちらに当てはまります。)
※支援時間は30分以上であることが必要ですが、利用者都合による支援時間の短縮があった場合は、30分未満でも算定可能です。ただし、事業所都合の場合は算定不可です。

実利用時間が個別支援計画において定めた時間より長くなった場合は?
 事業所の都合、利用者の都合のいずれにおいても個別支援計画に定めた提供時間が該当する時間区分で算定します。
 ただし、利用者や学校等の都合により、通常個別支援計画に定めている提供時間とは異なる時間区分で算定するような状況が想定される場合(例えば、通常は1時間だが、学校の短縮授業等により3時間になる日が想定される場合等)には、想定される具体的な内容を個別支援計画に定め、必要な体制をとっている場合には算定可能です。

注意点

  • 時間区分3は、学校休業日のみ算定が可能です。
  • 個別支援計画において定めた提供時間と実際の支援に要した時間に乖離がある状態が継続する場合(例えば、個別支援計画において定める提供時間を3時間としながら、利用者の都合により実際の支援に要した時間が1時間となることが、1月の利用でみて恒常的に生じている場合)には、速やかに個別支援計画の見直しを行うことが求められます。

加算の具体例

放デイの加算には、以下のようなものがあります。

●中核機能強化事業所加算

 市町村が地域の障害児支援の中核拠点と位置付ける放課後等デイサービス事業所において、専門人材の配置や地域の関係者との連携を通じて、地域における専門的かつ包括的な支援の提供に取り組んだ場合に適用されます。

●児童指導員等加配加算

 常時見守りが必要な就学児への支援や就学児の家族等に対する就学児への関わり方の助言を行う等、支援の強化を図るために、指定基準に定める従業者の員数に加え、児童指導員等又はその他の従業者を配置している場合に、資格の有無や経験年数、事業所の態様当に応じて加算されます。

●専門的支援体制加算

 指定基準に定める従業者の員数に加え、就学児に対する専門的で個別的な支援を行う理学療法士等(理学療法士、作業療法士、一定の経験を有する保育士等)を配置している場合に、事業所の態様に応じて加算されます。

●看護職員加配加算

 一定の基準を満たす重症心身障害児を受け入れるための体制を確保し、重症心身障害児やその家族の状況及びニーズに応じて、地域において必要な支援を受けることができるよう看護職員の加配を行っている場合(主として重症心身障害児の場合に限る)に適用されます。

●家族支援加算

 就学児童の家族(きょうだいを含む)に対して、個別又はグループでの相談援助等を行った場合(月4回を限度)に適用されます。

●子育てサポート加算

 保護者に支援場面の観察や参加等の機会を提供した上で、こどもの特性や、特性を踏まえたこどもへの関わり方等に関して相談援助等を行った場合に算定できます。(月4回を限度)

●利用者負担上限額管理加算

 事業所が利用者負担額合計額の管理を行った場合に算定できます。

●福祉専門職員配置等加算

 良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応じて加算されます。

●欠席時対応加算

 利用する就学児が急病等により利用を中止した際に、連絡調整や相談援助を行った場合に、月4回まで算定できます。(重症心身障害児を支援する事業所において、定員充足率が80%未満の場合には月8回を限度)

●専門的支援実施加算

 理学療法士等により、個別・集中的な専門的支援を計画的に行った場合に算定できます。(専門的支援体制加算との併算定可能。利用日数に応じて月2回又は月4回若しくは月6回を限度)

●強度行動障害児支援加算

 強度行動障害支援者養成研修(実務研修、中核的人材養成研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する児童(判定基準20点以上)に対して、支援計画シートを作成し当該計画に基づく支援を実施した場合に算定できます。

●集中的支援加算

 強度行動障害を有する利用者の状態が悪化した場合に、広域的支援人材を事業所に訪問させ、集中的な支援を行った場合に算定できます。(3月以内に限り月4回を限度)

●人口内耳装用児支援加算

 言語聴覚士を配置し、かつ眼科・耳鼻咽喉科の医療機関との連携の下で、人工内耳を装用している就学児に対して、専門的な支援を計画的に行った場合に算定できます。

●資格・聴覚・言語機能障害児支援加算

 視覚又は聴覚若しくは言語機能に重度の障害のある就学児に対して、意思疎通に関し専門性を有する職員を配置し、支援を行った場合に算定できます。

●個別サポート加算

 著しく重度又は行動上の課題があるケアニーズの高い就学児や虐待等の要保護・要支援児童、不登校の就学児に対して支援を行った場合に算定できます。

●入浴支援加算

 医療的ケア児又は重症心身障害児に、発達支援とあわせて入浴支援を行った場合に算定できます。

●自立サポート加算

 主に高校生(2年生・3年生)の就学児について、卒業後の生活に向けて、学校や地域の企業と連携しながら、相談援助や体験等の支援を計画的に行った場合に算定できます。

●通所自立支援加算

 学校・居宅等と事業所間の移動について、自立して通所が可能となるよう、職員が付き添って計画的に支援を行った場合に算定できます。

●医療連携体制加算

 医療機関等との連携により、看護職員が事業所を訪問して障害児に対して看護を行った場合や介護職員等に痰の吸引等に係る指導を行った場合等に算定できます。

●送迎加算

 居宅等又は学校と事業所等との間の送迎を行った場合に次表のとおり加算できます。

●延長支援加算

 基本報酬における最長の時間区分(平日3時間、学校休業日5時間)のサービス提供に加えて、当該サービスの利用前後に預かりニーズに対応した支援を計画的に行った場合に算定できます。

 延長30分以上1時間未満の単位は、利用者の都合等で延長時間が計画より短くなった場合に限り算定可能です。

●関係機関連携加算

 関係機関と連携し個別支援計画の作成や情報共有、連絡調整等を行った場合に算定できます。

●事業所間連携加算

 セルフプランで複数事業所を併用する就学児について、事業所間で連携し、こどもの状態や支援状況の共有当の連絡調整を行った場合に算定できます。

●保育・教育等移行支援加算

 就学児が地域において保育・教育等を受けられるよう、退所前に関係機関との間で以降に向けた連絡調整を行った場合(2回を限度)や、退所後に居宅や保育所等を訪問して相談援助又は助言を行った場合(居宅と保育所等で各1回を限度)に算定できます。

●福祉・介護職員等処遇改善加算

 福祉・介護職員の賃金改善等について、一定の基準に適合する取組みを実施している場合に算定できます。

減算の具体例

放デイの減算には、以下のようなものがあります。

●定員超過利用減算

 以下のいずれかに該当する場合、所定単位数の70%の算定となります。
・1日当たり利用障害児数が、定員50人以下の場合は当該定員の150%を、定員が51人以上の場合は当該定員から50を差し引いた員数の125%に75を加えた数を、それぞれ超過している場合
・過去3ヵ月間の平均利用障害児数が、定員の125%を超過している場合(ただし、定員11人以下の場合は当該定員に3を加えた数を超過している場合)

●サービス提供職員欠如減算

 指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、1割を超えて欠如した場合にはその翌月から、1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの間、以下のような算定となります。(主として重症心身障害児の場合を除く。)
・減算適用1月目から2月目:所定単位数の70%を算定
・減算適用3月目以降:所定単位数の50%を算定

●児童発達支援管理責任者欠如減算

 指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの間、以下のような算定となります。(主として重症心身障害児の場合を除く。)
・減算適用1月目から4月目:所定単位数の70%を算定
・減算適用5月目以降:所定単位数の50%を算定

●個別支援計画未作成減算

 放課後等デイサービス計画が作成されずにサービス提供が行われていた場合、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月までの間、以下のような算定となります。
・減算適用1月目から2月目:所定単位数の70%を算定
・減算適用3月目以降:所定単位数の50%を算定

●自己評価結果等未公表減算

 放課後等デイサービスに義務付けられている自己評価結果等の公表が未実施の場合に適用され、所定単位数の85%の算定となります。

●支援プログラム未公表減算

 放課後等デイサービスに義務付けられている支援プログラムの公表が未実施の場合に適用され、所定単位数の85%の算定となります。

●開所時間減算

 学校の休業日における営業時間が、6時間未満の場合、以下のような算定となります。
・開所時間4時間未満:所定単位数の70%を算定
・開所時間4時間以上6時間未満:所定単位数の85%を算定

●身体拘束廃止未実施減算

 身体拘束等の適性化を図る措置(①身体拘束等の記録、②委員会の定期開催、③指針の整備、④研修の実施)を講じていない場合に適用され、所定単位数の1%減算となります。

●虐待防止措置未実施減算

 次の基準を満たしていない場合に適用され、所定単位数の1%減算となります。
 ①虐待防止委員会を定期的に開催するとともに、その結果について従業者に周知徹底を図ること
 ②従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に開催すること
 ③上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと

●業務継続計画未策定減算

 感染症もしくは非常災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合に適用され、所定単位数の1%減算となります。

●情報公表未報告減算

 情報公表制度に基づく報告が未実施の場合に適用され、所定単位数の5%減算となります。

【放デイ】加算・減算について詳しく解説!

 放課後等デイサービスなどの障害福祉サービスは、都道府県等から指定を受けると、サービス提供の対価として報酬(給付費)を受けることができます。  報酬の額は、単位…

参考

児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成24年3月14日厚生労働省告示第122号)(令和7年3月31日こども家庭庁告示第2号改正現在)

こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1(令和6年3月29日)