【児童発達支援】指定申請の要件について解説!

児童発達支援とは

集団療育および個別療育を行う必要があると認められる、主に未就学の障害児を対象に、日常生活の基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援を、通所にて行います。

この児童発達支援について、自治体から指定を受けるために必要な要件について解説します。

詳細な要件や、指定申請時に必要となる書類は自治体ごとに異なりますが、本記事では、基準省令で定められている要件について記述しています。
(基準省令:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準)

指定の単位

指定は、原則としてサービスの提供を行う事業所ごとに行われます。

【従たる事業所について】

次の①および②の要件を満たす場合については、「主たる事業所」のほか、一体的かつ独立したサービス提供の場として、一または複数の「従たる事業所」を設置することができ、これらを一つの事業所として指定を受けることができます。

①人員および設備に関する要件ア 「主たる事業所」及び「従たる事業所」の障害児の合計数に応じた従業者が確保されているとともに、「従たる事業所」において常勤かつ専従の従業者が1人以上確保されていること。
イ 「従たる事業所」の利用定員が5人以上であること。
ウ 「主たる事業所」と「従たる事業所」との間の距離がおおむね30分以内で移動可能な距離であって、児童発達支援管理責任者の業務の遂行上支障がないこと。
②運営に関する要件ア 利用申し込みに係る調整、従業者に対する技術指導等が一体的に行われること。
イ 従業者の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されていること。必要な場合には随時、主たる事業所と従たる事業所の間で相互支援が行える体制(例えば、当該従たる事業所の従業者が急病の場合等に、主たる事業所から急きょ代替要員を派遣できるような体制)にあること。
ウ 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。
エ 事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められていること。
オ 人事・給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われるとともに、主たる事業所と当該従たる事業所間の会計が一元的に管理されていること。

【同一法人が複数の事業所を運営する場合】

同一敷地内において複数の事業所が一または複数の指定障害福祉サービスを実施する場合については、一の指定障害福祉サービス事業所または一の多機能型事業所として取り扱われます。

また、同一法人による複数の事業所が複数の指定通所支援を異なる場所で実施する場合でも、次の①および②の要件を満たしている場合は、一の多機能型事業所として取り扱われます。

なお、独立した事業所としての判断基準は、次の③のとおりです。

①人員及び設備に関する要件ア それぞれ利用定員が5人以上であること。
イ 異なる場所で行う事業所間の距離がおおむね30分以内で移動可能な距離であって、児童発達支援管理責任者の業務の遂行上支障がないこと。
②運営に関する要件ア 利用申し込みに係る調整、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。
イ 職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されていること。必要な場合には随時、異なる場所で行う事業所間で相互支援が行える体制(例えば、従業者が急病の場合等に、もう一方の事業所から急きょ代替要員を派遣できるような体制)にあること。
ウ 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。
エ 事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められていること。
オ 人事・給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われるとともに、事業所の会計が一元的に管理されていること。
③独立した事業所としての判断基準ア サービスの提供が一体的に行われていない。
イ 事業所ごとに必要とされる従業員が確保されている。
ウ 事業所ごとに必要な設備が備えられている。(ただし、レクリエーション等を行う遊戯室など、サービス提供に直接的な関わりのない設備については、共用して差し支えない。)

指定の要件

まず、児童発達支援の事業者として指定申請を行うためには、株式会社やNPO法人などの法人格が必要になります。
個人事業などでは申請することはできません。

そして、児童発達支援の事業所として指定を受けるためには、
①人員
②設備基準
③運営基準
の基準を満たす必要があります。

それぞれについて詳しく見ていきます。

①人員基準について

児童発達支援のサービス提供にあたり、必要な人員は以下のとおりです。

職種配置人数備考
管理者1人常勤
児童指導員または保育士①障害児の数が10人まで…2人以上
②10人を超える場合…2人+障害児の数が10を超えて5またはその端数を増すごとに1を加えて得た数以上
【具体例】
利用定員10名まで:2人以上
利用定員11名~15名:3人以上
利用定員16名~20名:4人以上
1人以上は常勤
児童発達支援管理責任者1人以上1人以上は専任かつ常勤
機能訓練担当職員(機能訓練を行う場合)必要数
看護職員(医療的ケアを行う場合)必要数
(児童発達支援センター以外の場合)

※管理者は、原則として、もっぱら当該事業所の管理業務に従事するものを配置する必要がありますが、支障がない場合は他の職務と兼務することができます。
※機能訓練担当職員、看護職員の数も、合計数に含めることができます。ただしその場合は、合計数の半数以上が児童指導員または保育士となることが求められます。
※医療機関等との連携により、看護職員を指定児童発達支援事業所に訪問させ、医療的ケアを行わせる場合等には、看護職員を置かないことができます。

主として重症心身障害児を通わせる場合

主として重症心身障害児を通わせる場合は、以下の①~⑤につき、それぞれ1人以上配置することが必要です。

①嘱託医 
②看護職員 
③児童指導員または保育士 
④機能訓練担当職員(機能訓練を行わない時間帯については、置かないことができる) 
⑤児童発達支援管理責任者

②設備基準について

児童発達支援の事業所においては、発達支援室のほか、サービスの提供に必要な設備および備品等を備える必要がありますが、詳細な要件は自治体により異なります。

指導訓練室、相談室、事務室、静養室、洗面所、トイレなど、自治体によっては、面積や設置方法に決まりがある場合があります。

例えば、宮城県の場合、発達支援室は「1人あたり2.47㎡を確保」することと定められています(児童発達支援センター以外)。また、そのほかの設備として、児童発達支援の提供に必要な設備及び備品等を備えることと定められています。

他の自治体では、相談室や事務室などに規定がある場合もあります。

③運営基準について

・利用定員について
利用定員は10人以上とします。
※主として重症心身障害児を通わせる児童発達支援事業所については、5人以上でも可。

・サービス内容や手続きの説明・同意について
サービス利用の申込者に対し、運営規程の概要、従業者の勤務体制、その他利用申込者のサービス選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、同意を得ることが必要です。

その他、以下のような運営基準があります。
・契約支給量の報告等を行うこと
・正当な理由なく児童発達支援の提供を拒んではならないこと
・障害児相談支援事業者が行う連絡調整に対しできる限り協力すること
・サービス提供困難時の対応
・サービス開始時に受給資格の確認を行うこと
・利用申込時、必要があれば障害児通所給付費の支給の申請に係る援助を行うこと
・サービス提供に当たり、心身の状況等の把握に努めること
・指定障害児通所支援事業者等との連携に努めること
・サービス提供の記録を行うこと
・保護者に求める金銭の支払いやその方法は適切なものであること
・通所利用者負担額の受領について、費用や受領の方法が適切なものであること
・通所利用者負担額に係る管理を適切に行うこと
・障害児通所給付費の額を保護者に通知すること
・児童発達支援の支援を適切に行うこと
・インクルージョンを推進すること
・児童発達支援計画を作成し、適切に運用すること
・障害児やその家族に対し、必要な助言や援助を行うこと
・障害児に対し適切な支援を行うこと
・教養娯楽設備等を備え、適宜レクリエーション行事を行うこと
・緊急時の対応を適切に行うこと
・管理者の責務として、管理業務や指揮命令を行うこと
・事業所ごとの運営規程を定めること
・従業者の勤務体制を確保すること
・業務継続計画を策定すること
・利用定員を遵守すること
・非常災害対策の体制を確保すること
・安全計画を策定すること
・送迎車を運行する場合、障害児の所在確認を行うこと
・衛生管理を適切に行うこと
・協力医療機関を定めておくこと
・運営規程などの重要事項を事業所に掲示すること
・身体拘束等の禁止
・虐待等の禁止
・秘密保持
・サービス利用に関する情報提供を行うこと
・利益供与等の禁止
・苦情解決のため必要な措置を講じること
・地域との連携に努めること
・事故発生時に適切な対応を行うこと
・会計を他事業と区分すること
・記録の整備を適切に行うこと

これらの運営基準が事業所において適切に行われるかを確認するため、指定申請時には多岐にわたる書類の提出が求められます。

指定申請の流れ

事前相談
申請を行う前に、自治体に事前相談を行い、必要な書類や手続きについて確認します。
自治体によっては、相談の期日が決まっている場合があります(指定申請提出の1か月前まで、物件契約前まで、等)。
必要書類の準備
申請に必要な書類を整えます。
事業計画書や職員の資格証明書、施設の図面など、多岐にわたる書類を用意する必要があります。
必要な書類は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。
申請書の提出
書類が整ったら、申請書類を提出します。
事業開始月の2~3か月前までに提出する必要があることや、自治体によっては提出時期が決まっていることがあるため、提出のスケジュールはよく確認しておく必要があります。
提出の方法は、自治体によって異なりますが、電子メールでの提出とする自治体が多くあります。
審査
提出先の自治体により書類が審査されます。書類に不備がある場合、申請が差し戻されることがあります。
指定の取得
審査が通過すると、正式に指定が下り、児童発達支援事業を始めることができます。

上記がおおまかな流れとなります。

上記に加え、建築基準法・消防法の手続きについて確認・手続きが必要であったり、自治体によっては申請前に管理者等の面談が必要になる場合があります。

必要となる手続きは自治体によって異なりますので、申請先の自治体の申請方法をご確認ください。

基準違反について

指定を受けた児童発達支援事業者が満たすべき基準を満たさない場合には、指定または更新を受けることができません。

また、基準に違反することが明らかになった場合には、
①相当の期間を定めて基準を遵守するように勧告を行い、
②相当の期間内に勧告に従わなかったときは、事業者名、勧告に至った経緯、当該勧告に対する対応等を公表し、
③正当な理由が無く、当該勧告に係る措置を採らなかったときは、相当の期間を定めて当該勧告に係る措置を採るよう命令することができる。都道府県知事の指導等の対象となり、この指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができる。
と定められています。

③の命令がされた場合には、事業者名、命令に至った経緯等が公示されます。

③の命令に従わない場合は、当該指定の取り消し、または取消しを行う前に相当の期間を定めて指定の全部もしくは一部の効力の停止(不適正な指定通所支援が行われていることが判明した場合、障害児通所給付費等の請求の停止)がされる場合があります。

ただし、次の場合には、基準に従った適正な運営ができなくなったものとして、ただちに指定を取り消すこと又は指定の全部もしくは一部の効力が停止されることがあります。

(1)次に掲げるときその他の指定障害児通所支援事業者が自己の利益を図るために基準に違反したとき
①指定通所支援の提供に際して通所給付決定保護者が負担すべき額の支払いを適正に受けなかったとき
②障害児相談支援事業者もしくは障害児相談支援事業者等、障害福祉サービスの事業を行う者等またはその従業者に対し、障害児またはその家族に対して特定の施設を利用させることの代償として、金品その他の財産上の利益を供与したとき
③障害児相談支援事業者等、障害福祉サービスの事業を行う者またはその従業者から、障害児またはその家族に対して特定の施設を利用させることの代償として、金品その他の財産上の利益を収受したとき
(2)障害児の生命または身体の安全に危害を及ぼすおそれがあるとき
(3)その他(1)および(2)に準ずる重大かつ明白な基準違反があったとき

まとめ

以上、児童発達支援事業所の指定申請の要件について解説しました。

これまでに記載したとおり、児童発達支援事業所が遵守すべき基準はとても多くあります。そして、指定申請の際にはこれらの基準がきちんと守られるかを確かめるため、様々な書類の提出や、自治体との面談等が求められます。

指定申請の際に必要となる手続きや書類は自治体により異なりますので、よく確認することが必要です。

参考

・児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(◆平成24年02月03日厚生労働省令第15号)

児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について